今古今のこと

 
坂間洋平 / 今古今と日日食堂


 
大磯駅のすぐ近くに「グルニエ・メメ」さんという古道具屋さんがあります。
僕が大磯に移住してきた頃からずっとお世話になっているお店で、何かあるとすぐにメメさんに相談にいく、そんな大磯の母の様な存在です。

最初にメメさんのお店に伺ったときに色々とお話をさせて頂き、その後、せっかく来たのだからと僕がひとつふたつ気に入った小品を選んで求めたのですが、メメさんは売ってくれず、

「なるべく買わずに、なるべく捨てずに古いものを上手に大事に使って暮らしなさい。それがあなたたちに向いていると思うわ。」

そう仰って頂きました。
そして飴色に変わった竹の竿を一本「何かに使ってみなさい。」と渡して頂きました。
とても嬉しく感じて、その日は自分たちがどのように大磯で暮らしていくのかということを一日中一生懸命考えていました。

それが今の僕の暮らしに繋がっています。
勿論今もその言葉を大事に心がけて日々を暮らしています。

さて、今古今(こんここん)の店名には「今の時代に古き良きものごとを取りいれて、今をより豊かにする」という意味がこめられています。

昔の手仕事のものがなるべく捨てられないようにと、ご近所の老舗の和菓子屋さんや漁協事務所、解体する旧家などから古い道具を預かって、お店の什器としたり、必要とするお客様や知人に譲ったりしています。

また、お客様から預かった中華鍋や調理器具をお店の大火力のコンロで焼き入れをしたり、預かった包丁を研いだり、お寺の仏具磨きを手伝ったりと家具だけではなく道具の手入れや再利用のお手伝いもしています。

これらは仕事ではなく、大磯暮らしのひとつの大事なこととして所謂「手間返し」として捉えています。

そんな日々を暮らしていく中で、お客様やご近所さんから野草や野菜などお裾分けを頂くことが多々あります。
また、スタッフが一人暮らしを始めたいと云う話をするとあちらこちらから「良かったらこれ使うかい?」と古くて素敵な道具が集まってきたりもします。

大磯へ移ってきた時から、日々本当に沢山の方々からご厚意や気持ちを頂いています。本当に本当に幸せなことです。

いつもありがとうございます。