#001─私は食いしん坊

私は生まれた時から食いしん坊だったと思う。

記憶を遡っても、いつも食べ物のことが頭のどこかにあったような気がする。今日のおやつは何だろう、とか、旅行へ行っても美味しそうなお店を探したり、というか気になるお店があるからその旅行の計画を立てると言った方が正しいのかもしれない。

自分の関心をひくお店があれば、どこへでも行った。普段は遠慮しがちなわたしも、食べ物では遠慮しないとか、ものすごく気になる料理教室に通いたい為に、神奈川から京都まで1年間通った。それくらい食への興味(愛)は強い。そして、食への気持ちと同様に身体や心の健康面にも興味があった。物心ついた時から色々なコンプレックスや、自信のなさや、何だか生きづらいと感じていた日々の中で、どうすればもっと生きやすくなるのだろう。どうすれば自分自身を愛せるのだろう。どうすれば心身ともに健康になるのだろう。と。

調べたり、勉強すればするほど、私はいつも「食」に辿り着いた。

食べたもので人はできている。食という字は「人」を「良」くすると書く。と、私の大先輩から教えていただいたが、それだけ食は身体と心と密接に関係しているのだと知った時に、自然と食への探求が始まった。

そして日本の食文化、発酵文化も興味深い。結局、私は「食は生きる源」だと思っている。人は生きたいという気持ちがあれば、最後の最期まで美味しいものを食べて元気になろう。と思うのではないか。それは他界した父が教えてくれたことでもあった。

多くの人は生きるために食べる。そんなかけがえのない食という仕事を生業にできていることに、日々幸せと心地よい緊張感と熱い想いが隣り合わせている。

そして、美味しいもので人を感動させたい。お米が炊き上がって土鍋の蓋を開けた時のお米の艶やかさを見て幸せになり、茹でた野菜をザルにあけた時に立ち昇る野菜の香りと湯気に朝のキラキラした光があたっている時なんて、それはもういろんな事に一気に感謝の気持ちが込み上げてきて、ありがたいな。と幸せを噛みしめる瞬間です。

今日もお料理できる事に感謝して、次は何を作ろうかな。

 

日日食堂 料理長 ささきちえこ