2020-06-26

魚の下拵えのこと

黒むつの炙り、伊佐木、天然の真鯛のお造り。

日日食堂では魚を仕入れてから最初にホースで血抜きをします。
そして魚の頭と内臓を取り、お腹を洗った後に50度のお湯で表面をさっと洗った後、たっぷりと氷を入れた塩水で魚を締めた後に冷蔵庫でひと晩寝かせます。

魚種や脂ののりで塩梅や寝かせる時間などは変わりますが、概ねこの様に下拵えをしています。

さて、前の料理長のちえさんは食堂で働き始めた当初、魚の生臭さが苦手でした。
大磯で新鮮な魚を仕入れられる環境にいるので、せっかくなのでとにかく生臭さを消して、ちえさんに大磯の美味しい魚を喜んでもらいたい。そう思い立ってから毎日厨房で試行錯誤と失敗を繰り返しました。おかげで今は魚の臭みに関してはいろいろと理解できたように感じています。

その後、ちえさんもただ苦手だったわけではなく、味覚がすごく敏感な料理人として素晴らしい才能の持ち主だと云うことを発見しましたので、食堂としても色々ととても良い結果につながりました。

さておき、この失敗をするという経験は僕にとってとても重要でした。だからなのか、失敗談をたくさん話せるひとが好きです。

写真のうつわを作られた加地学さんも、会うと毎回いろんな失敗談を明るく楽しく聞かせてくださいます。いつも最後に「全部が今の僕の暮らしに繋がってるんでしょうね。」と伝えてくださいます。

だからでしょうか。
僕は加地さんのうつわを見ていると、いつも励まされます。まだまだ僕なんかが加地さんのうつわの魅力を語るのはおこがましいことですが、今自分ができる精一杯の料理を盛り付けても(例えそれが稚拙なものであったとしても)それを美しいかたちにしてもらえる安心感が加地さんのうつわにはあります。

でも、いつかは加地さんのうつわと惹き合うようなお料理を作れるようにこれからも精進していきます。

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