さかまようへい

大磯駅のすぐ近くに「グルニエ・メメ」さんという古道具屋さんがあります。僕が大磯に移住してきた頃からずっとお世話になっているお店で、何かあるとすぐにメメさんに相談にいく、そんな大磯の母の様な存在です。最初にメメさんのお店に伺ったときに色々とお話をさせて頂き、その後、せっかく来たのだからと僕がひとつふたつ気に入った小品を選んで求めたのですが、メメさんは売ってくれず、「なるべく買わずに

うつわの向こうには作り手の姿が見えます。それは時に我々の背筋をしゃんと伸ばしてくれます。うつわの作り手の顔を思い浮かべながら料理を盛り付けていると「これくらい頑張ればいいか。」ではなく、気づけば「まだもっと良くなる。」という風に意識がかわってきます。うつわも料理も、流動的な変化をする「自然」という存在を摘み取ってひとの手によって加工するものです。どちらも表現するための技術

食堂の朝。毎朝お店に着いたら、すべての窓と扉を開けて、先ずは新鮮な大磯の空気を店内いっぱいに取り込みます。それから、お店の裏に自生している野草を摘み、テーブルにちょこんと添えます。一通りお店の掃除も終わってそれぞれが一息ついたところで、みんなでお茶を飲みながら朝のミーティングがはじまります。ミーティングでは、仕込みや料理の話からはじまり、仕事の中での気づき、日々の感銘を受けたこと、まちの

大磯はいつだって僕にとって特別な場所です。文化的な香りや風土の素晴らしさ、そこで暮らすひとたちの自然体の暮らしから発せられる美しさも勿論ですが、そんなことよりも僕はいつもただこのまちにいるだけで幸せな気持ちになれます。日日食堂というお店をはじめてもう何年も経ちますが、大磯を好きな気持ちは日に日に募るばかりです。もしも願いが叶うならば、日日食堂は大磯と云う場所に在る「風景」の一部として自然に

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