こんここん と、
にちにちしょくどう

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「日日食堂」と名付けました。

日日食堂の名前には
「毎日が良くなりますように。
今日より明日がもっと
良くなりますように」
という想いを込めています。

これは、お越し頂いたお客様の
一日が良い日であることを
願うのは勿論のこと、
「毎日を、新しい何にも
一物も持たない心で
今日という新しい世界に触れ、
明日は今日よりも
尚良くなるように
修養に励まねばならない」
という我々の作り手としての
の想いもそっと忍ばせています。

まだまだ拙い食堂ですが、
皆様に愛されるように
こつこつと頑張って参ります。

お料理の話を。

お魚のこと。

その日に大磯の海で揚がった魚を買い付けるのがメインですが、小田原の市場でも大型の魚を仕入れたりもします。
また、夏の間は青森から新鮮な帆立も届きます。

さて、食堂では仕入れてきた魚は時を於かずに血抜き処理をしてさっと50度のお湯で洗います。

その後「たて塩」と呼ばれる方法で氷でうんと冷やした塩水に漬け込みます。

脂の乗り具合や料理に使うタイミングによって漬け込む時間や塩分濃度は変えていますが概ねこのような処理をして、魚を寝かせて旨みを引き出しています。魚の種類によっては4、5日寝かせた方が美味しくなるものもあります。

なぜ50度で洗うのかというと魚の表面のぬめりやそれに付着している排泄物や雑菌を流すためです。
またこの時同時に熱で皮と身の間の魚の「体臭」も抜くことでほとんど魚の臭みはなくなります。

兎にも角にも魚を寝かせることこそが食堂の魚料理の最初の大切な仕事なのです。

お野菜のこと。

食堂では無農薬や低農薬の野菜を中心に、八百屋さんや地元の直売所ほか、農家さんから季節の野菜を仕入れています。

魚と同様に野菜も調理をする前に50度のお湯で洗って下処理をします。

野菜は収穫することで、水分の蒸発を抑えるために表面の気孔を閉じてしまいますが、料理をする直前に50度のお湯で洗うことで葉の表面の気孔が開いて水分を吸収します。水分を吸収することで野菜はまるで生き返ったように活き活きとした色艶の良い姿に戻ります。

また、アクや酸化物も洗い流せるため、実際に香りや甘みもうんと増します。
特に無農薬野菜など生命力の強い野菜に向いている下拵えの手法のように感じます。

野菜の種類や季節によっても少しずつ違いますが、50度のお湯で洗いながらどれぐらいお湯につけるれば良いのかを日々野菜と対話しています。
そうしたことで少しずつ野菜への理解、愛情がが深まってくるのだとおもいます。

なるべく無駄のないように心がけて、皮も一緒に煮たり、野菜の煮汁を魚料理に応用したり、愛情をかけていつでも最後まで大事に使い切るような野菜料理を心がけています。

「食堂」であること。

「食堂」という言葉が好きです。

ビストロなど外国の庶民的なレストランを日本語に置き換えたときに「食堂」と呼ぶ、あのちょっと洒落ていて、粋な雰囲気があって、でもカジュアルさの中に温かい心遣いのすべてが詰まっているような、そんな言葉のニュアンス。

日日食堂と名付けるときにイメージした「食堂」はそんな言葉でした。

また「食堂」と云う言葉には、その土地に根ざしている文化そのものの意味合いも含んでいるように聞こえます。

町には必ずその土地固有の気候や風土、親しまれてきた料理や食材など独自の素晴らしい文化が形成されていますが、大磯にも素晴らしい文化がたくさんあります。

日日食堂がある大磯は、海と山に挟まれていて、海沿いには漁師町、山側には畑や別荘地があり、いろいろな世代の方のいろいろな暮らしが混じり合うとてもユニークな町です。

そんな、この土地ならではの暮らしの知恵や文化を教えてもらうとき、なんだか大磯という町に優しく受け入れてもらえたように感じて嬉しくなります。

上手く云えませんが、いつかは日日食堂も大磯の文化のひとつになりたいという大きな夢を描いています。だから「身土不二」とも云える要素が感じられる「食堂」という言葉が大好きなのかもしれませんね。