上田あおい

日日食堂でお出ししている水出し珈琲の豆が新しくなりました。こんにちの日日食堂は以前の提供スタイルとは変わり、お昼も夜もコース形式となりましたので、当然流れが違うわけですから珈琲の占める割合もバランスも以前とは異なります。私が考える食後の珈琲は、食事の一貫です。最後まで弧を描くような美しい一本の線でありたい。どんな珈琲か。言葉で伝えるのは難しいのですが、苦味も酸味も立たない。でもしっかり焼かれた豆

珈琲の香り、ゆっくりとたちのぼる湯気、洗練された美しいしごと、えもいわれぬ心地よい空間。私が喫茶店と珈琲に魅了されてからこれまで、幾度となくカウンターにひとり腰掛けて、珈琲がぽたぽたと落ちてゆくゆくところを見てまいりました。ぴしっとした佇まいのマスターに対する憧れもありました。あまり見過ぎてもいかがなものだろうか、と、凝視したいところをぐっとこらえてちらり、本を読んでいるふりをしながらもちらり

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